平成28年 3月


TPPの農業への影響と対策は

哘清悦

 2012年12月総選挙での自民党のポスターに「ウソつか

ない。TPP断固反対。ブレない。」と力強い太字で書かれて

いたが、安倍政権はTPP参加に突き進んでおり、当町にも暗

い影を落としている。

 借金が千兆円もある国が、TPP対策の予算を毎年確保する

とは思えないので、その財源について調べてみた。

 その結果、日本が財政破綻することはなく、欧米並みの農業

予算を毎年付けるだけの財源も十分あることがわかった。

 その根拠は次の3点。

 1点目は国債の内訳。

 ギリシャ保有国債の国内所有者割合43%に対し日本の国債

1038兆円の国内所有者は91%。

 その内訳は、日銀27%、銀行等31%、保険会社19%、

公的年金5%、年金基金3%、家計2%。

 2点目はバランスシート。

 負債総額1143兆円に対して、資産総額は653兆円。

 資産負債差額は490兆円。日限を連結させると、資産負債

差額は290兆円のみ。

 3点目は外国に賁している金額。

 日本367兆円、中国214兆円、ロシア41兆円。

 逆にマイナスは、フランス51兆円、イタリア66兆円、イギ

リス67兆円、アメリカ834兆円。

 アメリカの純債務残高は、1ドル112円換算で1463兆円

。国内所有者割合は53%止まり。これら主要国の中で、TPP

交渉参加国は、日本とアメリカのみ。

 日本の外貨準備高のほとんどはアメリカ国債。

 1ドル125円時点で売却すれば、それまでの投資元本合計額

152兆円を回収できたが売却しなかったため、再び損失が拡大

している状況だ。

 リーマンショック発生翌年のG7で、中川昭一元財務大臣が米

ドルと米国債を原資に、10兆円を1MFに拠出し、財政破綻寸

前の国々を救済すると発表し実行した結果、アメリカ中心の経済

から発展の中心が、中国やインド、東南アジア、ブラジルに移っ

た。

 農業所得に占める政府直接支払いの割合は、アメリカの穀物農

家の5割前後に対し、日本は16%前後、稲作でも2割強。

 TPPの問題は、関税撤廃を原則としながら、アメリカの攻撃

的保護政策である農業輸出補助金撤廃の議論は対象にされておら

ず、日本の農業・農家を守るべき日本政府が、アメリカの攻撃的

保護政策を、米国債を購入し売却しないという方法で財政的に支

援していることだ。これは絶対改めなければならない。

 質問の1点目は、町独自の影響試算について。

 2点目は、これまでの町の農業政策の変更点や強化を考えてい

る点。

 3点目は、全国と県と当町の就農者数の状況。


米は8500万円、野菜との複合経営で所得向上を図る

町 長

 1点目。国は33品目、県は17品目を試算。

 県産米が輸入米の価格まで低下した場合、県では23億円、当

町では8500万円の減少額と試算。

 野菜及び牛肉は、輸出入の増減による影響、輸入品と国産品の

置き換わり、為替相場の変動、消費量の減少等により、産出額の

積算が困難。

 2点目。町の基幹産業は稲作だが、来の消費量は、少子高齢化

、人口減少、食の多様化等で、毎年8万トン減少する。

 新たな来の輸入が決定し、平成30年産米から、生産調整と米

の直接支払交付金が廃止され、様々な転作助成金の見直しも予想

される。

 町では、ニンニク、長芋、ゴボウなどを中心とした野菜や施設

野菜の生産維持・拡大へ取り組み複合経営による農業所得の向上

を図るため、七戸町野菜生産力向上5ヶ年計画を策定し、野菜産

地の再生、高所得・高生産性農業を推進し農業の活性化を図る。

 3点目。平成26年度末の青年就農給付金の交付対象者は、全

国で12500人、青森県は58人、七戸町は12人。


哘清悦

 TPPは、7月の参院選で適切な議員と政党を選択して、政治

的に解決するしかないと思う。

 町長として政策提言、意見表明する考えは。


町 長

 かつては県の町村会の農林部門に所属しておりいろいろな提言

をしてきた。これからも機会を捉えて表明していきたい。